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障がい者就労支援でかかる費用とは?お金がないときの補助制度も紹介

障がい者就労支援でかかる費用とは?お金がないときの補助制度も紹介

就労支援事業所の利用料には負担上限額が定められており、無料もしくは少額で利用している方が多数を占めます。
ただし、昼食代や交通費は原則自己負担となるうえ、通所中の生活費は自力で工面しなければなりません。

障がいのある方が利用できる補助制度には、さまざまな種類があります。
条件を満たす場合は利用を検討し、経済的な不安を解消しましょう。

本記事では、障がい者就労支援の利用にかかる費用を詳しく解説します。
通所中の収入源となる制度もまとめているので、あわせて参考にしてください。

障がい者の就労支援でかかる費用とは?

就労支援の利用料は、前年度の世帯年収によって決まります。
世帯年収とは「本人と配偶者」の収入を足したもので、親の収入は含まれません。

以下のステップで、利用料の仕組みを見ていきましょう。
 

  • 就労支援の利用料は利用日数で計算する
  • 就労支援を無料で利用できる人の例
  • 就労支援で利用料が発生する人の例

それぞれ解説します。
 
就労支援の利用料は利用日数で計算する
 

就労支援の月額利用料は、以下の計算式で算出できます。

月額利用料=500円~1,200円(※)×利用日数
(※)地域や事業所によって異なる

たとえば、1日あたり1,000円かかる事業所の場合、20日利用すれば2万円の月額利用料が発生する計算です。
ただし、利用者の自己負担額は「1割」と定められているため、実質的に支払う金額は「2,000円」となります。

1日あたりの利用料は、就職実績が豊富な事業所ほど高くなる仕組みです。
「利用料の安さ」のみで事業所を選ぶことは避けましょう。

なお、実際の自己負担額には、前年度の世帯年収によって上限があります。
 

自己負担額には上限がある

就労支援を含む「障がい福祉サービス」には、利用者が負担する金額の上限が定められています。
前年度の世帯年収に応じた自己負担額の上限は、以下のとおりです。

 
区分 世帯年収状況 負担上限額(月額)
生活保護 生活保護の受給世帯 0円
低所得 市町村民税の非課税世帯 0円
一般1 市町村民税の非課税世帯 所得割16万円未満(一定の対象者を除く) 9,300円
一般2 上記以外 3万7,200円

たとえば、1割負担で計算した月額利用料が2,000円の場合でも「生活保護」「低所得」区分に該当する方は無料で利用できます。

参考:厚生労働省|障害者の利用者負担
 
就労支援で利用料が発生する人の例

「生活保護」「低所得」の区分に該当する方の年収目安を、詳しく見てみましょう。

 
世帯 自己負担額が0円になる年収目安
単身 100万円
夫婦のみ 156万円
夫婦+子1人 205万7,000円
夫婦+子2人 255万7,000円

生活保護を受給している方と、住民税が課税されていない方は、就労支援を無料で利用可能です。
自治体によって非課税限度額のルールは異なる場合があるため、詳細は市区町村窓口に確認しましょう。

参考:厚生労働省|住民税世帯非課税の対象者等

 
就労支援を無料で利用できる人の例


通所する本人または配偶者に住民税が課税されている場合、就労支援の利用料がかかります。
負担額の目安を具体的に見ていきましょう。
 

世帯の状況・該当者 自己負担額
・年収約670万円以下の世帯 9,300円
・年収約670万円超の世帯
・20歳以上の入所施設利用者で、住民税が課税されている方
・グループホーム利用者で、住民税が課税されている方
3万7,200円


親や兄弟と同居している方でも 「利用者本人と配偶者」の収入を対象として判断することがポイントです。
所得を判断する世帯の範囲は、以下の表を参考にしましょう。
 

種別 世帯の範囲
18歳以上の障がい者(施設に入所する18、19歳を除く) 障がいのある方と配偶者
障がい児(施設に入所する18、19歳を含む) 保護者の属する住民基本台帳での世帯

参考:厚生労働省|障害者の利用者負担
 

障がい者就労支援の利用料以外にかかる費用

就労支援サービスは、大多数の方が無料もしくは少額で利用できますが、以下のような費用は原則自己負担になります。
 

  • 昼食代
  • 交通費

費用負担を軽減する対策も含めて、詳細を見ていきましょう。

 
昼食代
 

障がい者の就労支援では、原則として食事の提供を行わないため、昼食は利用者が各自で用意する必要があります。

ただし、食事を提供している事業所は「就労移行支援・就労継続支援A型・B型」を平均すると約56.7%存在します。
費用負担を軽減したい方は、事業所を選ぶ判断基準の1つとして 「昼食提供の有無」を確認するのもよいでしょう。

参考:厚生労働省|食事提供体制加算等に関する実態調査報告書
 

交通費

就労支援事業所には、週4~5回通所することが一般的です。
交通費においても自己負担が原則なので、バス代や電車代がかさむ事業所を選ぶと生活費を圧迫しかねません。

自治体によっては、交通費の補助制度を利用できる場合があるため、市区町村の福祉担当窓口に問い合わせてみましょう。
補助制度の詳細は後述します。

関連記事:障がい者の転職準備が難しい理由とは?就職までの流れや成功ポイントを解説
 

障がい者就労支援の通所中に収入源となる制度

事業所へ通所している期間の生活費に、不安を感じる方も少なくありません。
以下では、障がいのある方が収入源として利用できる制度をまとめました。
 

  • 障害年金
  • 失業保険
  • 生活保護
  • 総合支援資金

それぞれ解説します。
 
障害年金
 

病気やケガによって生活や仕事などが困難になった際に、現役世代も受け取れる年金です。
障害年金には、以下の2種類があります。
 

障害年金の種類 請求できる方 請求できる条件
障害基礎年金 ・国民年金の加入者
・20歳前の方
・60歳以上65歳未満の方
・初診日において「請求できる方」のいずれかに該当する
・法令により定められた障害等級表(1級・2級)の状態にある、など
障害厚生年金 ・厚生年金の加入者


申請時は、医療機関で発行してもらう「受診状況等証明書」が必要です。
必要書類の提出から審査結果が届くまでに3ヶ月程度かかるため、早めに手続きを行いましょう。

参考:日本年金機構|障害年金


失業保険

雇用保険の被保険者が離職した際、失業中の生活を心配せずに新しい仕事を探せるよう支給される手当です。
受給するには、以下の条件を満たしている必要があります。
 
  • 就職の意思・能力があるにもかかわらず仕事に就けない
  • ハローワークで求職の申込をし、就職活動を行っている

支給額の目安は、以下の計算式で把握できます。

基本手当日額=離職直前の6ヶ月に支払われた月収の合計÷180×50%~80%

障がいのある方は「就職困難者」に該当するため、受給条件が緩和されています。
最大給付日数も、一般受給者の2倍以上になることが特徴です。

参考:ハローワークインターネットサービス|基本手当について
 
生活保護

生活に困窮する方の、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立の助長を目的とした制度です。
世帯の収入だけでは国が定める最低生活費に満たない場合に、不足額が保護費として支給されます。

生活保護を受給するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
 
  • 収入が最低生活費に満たない
  • 預貯金や売却できる資産がない
  • 3親等内の親族による援助が見込めない


支給される生活保護費は、単身者の場合でおおむね10~13万円程度です。
障がいのある方は、さらに 「障がい者加算」として一定額が上乗せされます。

金額は地域差が大きいため、受給を検討する場合は市区町村の窓口に相談しましょう。

参考:厚生労働省|生活保護制度
 
総合支援資金
 

生活に困窮している方が、社会福祉協議会から貸付を受けられる制度です。
連帯保証人がいる場合は無利子、いない場合は年1.5%の利子で借りられます。

具体的な貸付金額は、以下のとおりです。
 

区分 内容 内容
生活支援費 生活を再建するための費用 月20万円まで(単身世帯は月15万円まで)、原則3ヶ月間
住宅入居費 住宅の賃貸契約を結ぶための資金 40万円まで
一時生活再建費 ・就職活動や技能習得
・滞納料金の一時立て替え
・債務整理
などに必要な費用
60万円まで


返済が見込めることや、ほかの公的給付を受けていないことなどが貸付の条件になります。
詳細は、市区町村の社会福祉協議会に問い合わせて確認しましょう。

参考:政府広報オンライン|生活にお困りで一時的に資金が必要なかたへ「生活福祉資金貸付制度」があります。

障がい者就労支援の費用負担を軽減する制度

障がいのある方が利用できる制度には、収入源になるものだけでなく、かかった費用の負担を軽減するものもあります。
代表的な制度は、以下のとおりです。
 

  • 交通費の助成制度
  • 自立支援医療制度
  • 障がい者手帳

詳細を見ていきましょう。
 
交通費の助成制度

多くの市区町村が、交通費の助成制度を設けています。
鉄道やバスなどの公共交通機関には、実際に以下のような割引制度が存在します。
 
交通機関 割引の一例
鉄道・バス 障がい者と付添者の乗車券が子ども料金
タクシー 走行メーター表示額から割引
高速道路 障がい者本人が運転する、または同乗する場合、通常料金の50%割引
飛行機 障がい者と付添者の運賃が割引

交通費の助成制度は自治体独自の取り組みが多いため、条件や金額は地域によって異なります。
詳細は、利用する公共交通機関のホームページや、市区町村の福祉担当窓口で確認しましょう。
 
自立支援医療制度

心身の障がいに関する治療において、医療費の自己負担額を軽減する制度です。
年収区分に応じた負担上限額が定められているものの、原則として 3割負担の医療費が「1割負担」になります。

自立支援医療制度の対象となる医療は、以下のとおりです。
 
対象となる医療 対象者
精神通院医療 統合失調症などの精神疾患があり、継続的な通院を要する方
更生医療 身体障がい者手帳の交付を受けており、治療による効果が期待できる方(18歳以上)
育成医療 身体に障がいのある児童で、治療による効果が期待できる方(18歳未満)

医療費の負担を大きく軽減できるため、条件に合致する場合は利用を検討しましょう。

参考:厚生労働省|自立支援医療制度の概要

 
交通費の助成制度

障がい者手帳を持っている方は、税金の減免や公共交通機関の割引、各種施設利用料の割引などを受けられます。
手帳の種類は、障がい種別によって以下の3種類があります。
 
  • 身体障害者手帳:身体障がいのある方
  • 療育手帳:知的障がいのある方
  • 精神障害者保健福祉手帳:精神障がいのある方

申請は、市区町村の担当窓口を経由し、都道府県知事または指定都市市長に行います。
就労支援サービスの利用に必要な「受給者証」の申請もスムーズになるため、対象となる方は取得を検討しましょう。

参考:厚生労働省|障害者手帳
 

障がい者就労支援の費用に関してよくある質問

就労支援事業所の費用に関連して、よく寄せられる質問をまとめました。
 

  • 就労支援でお金はもらえる?
  • 就労支援の1日あたりの利用料は事業者ごとに異なる?
 

回答を見ていきましょう。
 

就労支援でお金はもらえる?


就労移行支援事業所は「訓練所」の位置づけなので、原則として工賃は発生しません。
一方、就労継続支援A型・B型は工賃・賃金が支払われます。

各就労支援サービスの特徴は、以下のとおりです。
 

サービス 工賃・賃金の有無 平均工賃(月額)
就労移行支援 なし -
就労継続支援A型 あり(雇用契約あり) 8万6,752円
就労継続支援B型 あり(雇用契約なし) 2万3,053円

就労継続支援の平均工賃は年々上昇傾向にあるものの、工賃のみで生活するのは厳しい水準です。
通所中は、前述した「収入源となる制度」「費用負担を軽減する制度」を活用し、経済的な不安を解消しましょう。

関連記事:就労継続支援とは?A型B型の違いや対象者・仕事内容を分かりやすく解説
関連記事:就労継続支援A型・B型の違いとは?デメリットや向いている人を解説
関連記事:就労継続支援B型のメリット・デメリット|注意点や活用ポイントを解説
参考:厚生労働省|令和5年度工賃(賃金)の実績について
 
就労支援の1日あたりの利用料は事業者ごとに異なる?
  

どのような事業所を選ぶかによって、利用者負担額は異なります。
各事業所の利用料(基本報酬)は、厚生労働省が定める基準にもとづき、実績に応じて決まるからです。

各就労支援サービスの利用料は、以下の要素によって決まります。
 

サービス 算定要素
就労移行支援 ・定員
・直近2か年度の就労定着者実績
就労継続支援A型 ・定員
・職員の配置状況
・評価点(労働時間、生産活動など)
就労継続支援B型 ・定員
・職員の配置状況
・平均工賃月額

「規模が大きい」「実績がある」「環境がよい」事業所ほど、利用料は高くなる仕組みです。
支援の品質と利用料のバランスを見ながら、最適な事業所を選択しましょう。

関連記事:就労移行支援の利用条件とは?対象者や期間・申請の流れを解説
参考:厚生労働省|障害福祉サービス費等の報酬算定構造
 

まとめ

障がい者就労支援の費用負担は補助制度の活用を

就労支援サービスの利用料は負担上限額が定められており、多くの方が無料で利用できます。
通所中の生活費を確保し、安心して支援に専念するために、利用できる補助制度は積極的に検討しましょう。

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